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2018年07月14日

豪雨で被災された方々へ

書こうか書くまいか迷いましたが、気づいてくださる被災者の方がいることに期待をし、批判を気にせずに書きます。
長文かつ支離滅裂お許しください。

『この度の豪雨で被災された皆様へ』
先ずは心よりお見舞い申し上げます。
さて、現在は緊急フェーズということもあって、地域等の先の事を考えているゆとりはまだ無いと思います。
住む場所と仕事がある程度決まらない限り、心にゆとりなどほとんど出ないのが普通です。しかし、ある程度どんなフェーズの移り変わりがあるのかは知っておいてほしいと思います。
断片的で感情的な表現をしてしまう部分もあり大変恐縮ですが、是非知っておいていただきたいことです。

今後、被災地域における災害復旧工事が始まりますが、河川護岸や砂防ダム等、巨大なコンクリート構造物が建設されます。自然豊かな古里は生物多様性を失うことになりますので、景観や豊かな自然環境を愛しているならば、酷ですが他地域の良き場所に移り住むことを視野に入れることをお勧めします。
東日本大震災では、数十年程度の頻度で起こりうる津波に対応する巨大防潮堤を建設し、海辺の砂浜等の自然環境の多様性と生物の多様性が失われました。また、海岸の防潮堤から繋がる河川の護岸も巨大極まりありません。生態系への配慮として行われるのは河床に蛇籠を入れることや、護岸の端に捨て石を敷く程度です。
参考までに、三陸沿岸部の災害復旧工事の様子の一部をご紹介いたします。
防潮堤モニタリングサイト

生物の知識がない技術職の方々が実施しているので仕方がないことかもしれません。災害復旧工事で国費を湯水のごとく使用できることを知っている県職員の方などは既に動いていることでしょう。市町村の首長よりも県知事の意向が大きく反映されるのが災害復旧工事です。

災害復旧工事とは、原型復旧(もとの形に戻すこと)が原則ですが、東日本大震災復旧工事をご覧ください。震災前より防潮堤や河川護岸は巨大で、残念なことに生物多様性も著しく失われました。つまり、原型復旧とは言葉ばかりで実際はかなり巨大なものが作られるということになります。「景観」や「生態系への配慮」は言葉ばかりで、実際は配慮などほぼありません。「配慮しました」と説明しているだけなのが現状です。

国(国交省)は、「1,000年に一度の頻度の大洪水に対応する河川整備」を言い出しているので、県管理河川(二級河川)と市町村管理河川(普通河川)もそれに追従する形になると予想されます。自然災害後の災害復旧工事は、まさに巨大なコンクリート構造物をつくる名目と予算が付きやすい絶好のチャンスになります。
平たく言えば巨大な河川護岸と砂防ダム等の整備が、今後被災された地域の河川に建設されることになります。防災、減災を目的に。
是非、失われるものを想像してほしい。
東日本大震災後の三陸の今の海辺を見てほしい。
崖地以外は巨大な防潮堤に囲まれています。河川護岸も巨大です。それでいてラムサールに登録を望む恥知らずが出てきます。原発関連の税収で成り立っている被災した町は「まちづくり頑張っています」と堂々と言います。恥は知っておくべきです。頑張らなくても原発の税収で町は成り立つので。

さて、生命(防災・減災)と自然環境(生物多様性)を天秤に掛けたら、守るべきものは生命に決まっています。その考えで三陸沿岸部はコンクリート固めになりました。
被災された方々は、まだそんなもの考えていられない状況だと思います。我々もそうでした。まずは住む場所(避難所→仮設住宅→防災集団移転や災害公営住宅等)+収入(仕事)が決まらなければ、次のフェーズは考えていられない精神状態だと思います。
しかし、政府は既に動き出しています。
土木学会はコンクリート構造物を作る側です。現在では防潮堤と放射能の話は学会の中でタブーになっていると土木学会の少し偉い人が言っておりました。
どうか臆せず、長期間の戦いになることを覚悟し、住民の意見をまとめることに徹して頂きたい。外部の有識者やメディア関係者や有名人等とのコミットよりも、内部(自治会や地域の有力者、水辺の土地を有している地権者)への働きかけを増やして頂きたい。
東日本大震災の失敗事例の多くは、地域のキーマンとなる人物が外部の方々との接触を多くしてしまったことが挙げられます。すると最も重要な住民の方々の気持ちが離れてしまいます。

被災された皆様、専門家に頼り過ぎないようにしてください。
建築系の専門家は自分の設計した建屋を自慢したいが故に建てたいと思って近づいてきます。内容を精査し、地域に必要と判断したら受け入れてください。不要になったら撤去する費用等考えるのをお忘れなく。
NPO等の支援組織に頼り過ぎないようにしてください。民間の団体は動きが速いです。また、特に発災から約1か月程度の緊急フェーズでは的確な動きをする団体がほとんどです。被災された方々は体調を崩さないよう気を付けつつ、縋れる部分は縋り、自立の道を歩むことを忘れずにいてください。
民間の団体は、それぞれ規模が違います。大きな支援団体であれば被災者雇用もあろうかと思います。支援を職にすることは個人的にはお勧めしません。ただ、全てを失ったのであれば、1回きりの人生なのでいろいろやってみると良いのかもしれません。
恐らく、既に現地入りしている民間の団体は連携が始まる頃かと思います。胡散臭い団体が入ってくれば情報は流れます。上手に情報を入手して頂きたい。

被災された方で、自然豊かで美しい自然環境を愛しているとお考えの方がいらっしゃいましたら、可能であれば水辺の土地を早めに購入し地権者になると良いかと思います。日本ではその方法以外で豊かな自然環境(’特に水辺や湿地等)を守る術はありません。地権者は法的にも最強の力を持つことになりますので、自然を守りたいのであれば地権者になってください。後々に語り継がれることにもなります。

被災された方々へ。
何よりも、どうかご自分の古里を大事になさってください。
古里があるということは、現代ではとても幸せなことです。
そして、コンクリートや見せかけの自然工法だらけの古里を望むか、ご自身が子供のころ遊んだような豊かな自然環境がある古里を望むか、早めにお考えいただきたい。
時代ごとに震災等があり、その度にその地域の自然環境は著しく失われてきました。そして現在があります。
永遠に失われていくのが日本という国の自然環境です。
手の届く範囲で少しでも後世に残したいと考えるのであれば、前述ですが地権者になるしかありません。国立公園内での防潮堤建設を見れば、日本の姿が良く分かると思います。

ボランティアに参加されるまたはボランティアに行こうとお考えの方々へ
これも批判を覚悟で書きます。
現地では頼られたり縋られたりします。それに酔いしれないようにお気をつけください。また、被災者を甘やかさないよう凛とした態度で接するようにお願いいたします。
また、緊急フェーズの被災地に入ると、人という動物は性欲が少し敏感になります。しっかりと理性を保ってください。
遺体を発見した場合は、あまり直視せず、作業の際は視界に入っている程度で過ごされることをお勧めします。人によっては傷になる場合があります。
泥かき等のフェーズが終わり、「何をやればいいんだろう」と思う時間ができるかもしれません。その場合は元の生活に一度お戻りください。そのままそこに留まらない方が私は良いと思います。無理に案件形成をすると、失敗したり寄付金や助成金系が無いと飯が食えなくなり本末転倒となります。もちろんやってみることは大事ですが、引き際は見定めつつ活動されると良いと思います。
時間の経過とともに移住される方もいらっしゃるでしょう。被災地域としては貴重な移住者となります。仕事の課題が大きく公のお金で生きることになるかもしれません。その地域が好きならば、何を言われようと自立の道を探りつつ頑張って留まって頂ければと思います。生き方の問題でもありますが、魅力が薄れたりしたときは元の生活や新たな旅に出ることも手段の一つだと思います。くれぐれも情緒的に偏り過ぎないようお気を付けください。



写真は宮城県気仙沼市本吉町を流れる「沖の田川」。
(GoogleMap:38.826136, 141.572705)
東日本大震災における災害復旧工事で巨大な河川護岸が建設され、生態系への配慮をする工事をした結果、死に川となりました。何年かすると、新しい生態系が生まれるかもしれません。写真では分かりませんが、現在は外来植物のみ生息しています。

豪雨で被災された方々へ


一先ず。
畠山信





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Posted by 森は海の恋人事務局ブログ at 00:24│Comments(0)徒然日誌
 
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