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2013年03月15日

ハタボー日記107 自民党本部へ行ってきます。

明日は自民党本部に行ってきます。
漁業者・被災者の立場から、地方経済の発展の妨げになる巨大防潮堤建設問題等について、現場の生々しい現状を国会議員の方々に知って頂き、制度を変えて頂くために。
常に現場に出ていないと分からないことが沢山あるだろうからなぁ。
ニコル先生の口癖「フィールドワーク」の意味がこんなところにも。。


さて、巨大防潮堤建設問題は、被災沿岸部だけでなく、日本全国の海岸を巨大なコンクリートで覆い尽くす計画です。
防潮堤を建設される理由は、「国民の生命と財産を守るため」。
生命と財産とは何か?
行政の方からの説明をまとめると、「人の命」、「民家」、「公共施設」、「道路」、「国土」になる。
と、いうことは、日本の沿岸部に万里の長城をつくる、ということになる。
実際には、「沿岸の崖地」には造らない。平地には造る。という理解になる。
例外として、そこに住む住民が全員反対すれば、防潮堤は造らない地区はできる。
宮城県内では今のところたった1か所。
森海事務局がある気仙沼市唐桑町西舞根地区だ。

私が防潮堤を問題視する理由は以下。
・消費税増税の理由になるから。
・景観を破壊して観光産業が衰退するから。
・海岸線に重量物(防潮堤)を置くことで、陸側からにじみ出ている地下水を遮断するため、カキ養殖等の沿岸漁業に被害が出る可能性が高い。実害があった場合、漁業者への補償は難しい。なぜなら環境影響調査(ビフォー・アフターの比較)をしなくてもよい決まり(復旧事業)。
・三陸沿岸部の海辺の平地は地形上とても少なく、漁業者としても生活しにくくなるから。
・TP9m(※TPとは、東京湾の平均的な海面の高さ)くらいのコンクリート製の防潮堤の計画が多いが、9mっていったら電信柱より高い。牢獄の生活は嫌だから。
・防潮堤では何も守れないことが、東日本大震災を体験して知ったから。
・次の世代に管理費という借金を背負わせたくない。税金の無駄遣いになるから。
挙げればいくらでも出てきますな。。。。。



千葉県の九十九里浜は、その景観をTP6mのコンクリート製防潮堤で美しさを失うことになっているそうな。

気仙沼市の大谷海岸も、巨大なコンクリートの防潮堤で美しい砂浜を消す計画になっていた。
住民は見直しを求め、気仙沼市長は歓迎したが宮城県知事は砂浜を潰したいらしい。
ハタボー日記107 自民党本部へ行ってきます。


こちらは宮城県内で最も高いTP14,7mのコンクリート製防潮堤が計画されている小泉地区。
防潮堤の厚みは約90m。
平地には人は住まない(住めない)。
予算はここだけで200億円の税金が使われる。
ハタボー日記107 自民党本部へ行ってきます。


宮城県の場合、知事の意向で一律に防潮堤を造る計画になっている。
気仙沼市の場合は約5mから14,7mの巨大なコンクリートの防潮堤が計画されている。
気仙沼市役所職員の方の中には疑問視している方もいらっしゃるが、基本的に公務員は法律に従って仕事をする動物である。
内部から改革する職員は気仙沼市役所内には見当たらない。頑張ろうとしている方はいるけれども。。
東松島市では、若手の職員が市役所の内部から改革した。
そうでもしないと、持続可能な地域は生まれないのだと思う。

宮城県の七ヶ浜町では既に行政説明会が終わり、防潮堤が着工され始めたそうな。
七ヶ浜は軽井沢と並ぶ有名避暑地。でも巨大防潮堤の建設が始まっている。
住民の方々は、「観光の打撃になるのではないか?」とやっと声をあげはじめた。
(七ヶ浜町の防潮堤計画 PDF)

宮城県の雄勝地区では人口の約20%しか戻る人はいないそうです。
雄勝の好きなところアンケートをとったら、ほとんどが海、山、自然を挙げたのに。
津波防災にこだわり過ぎた結果、町が一つ消える結果となってしまったそうです。



公共事業は一時の経済効果しか生み出さないので持続可能性はありません。
地域がそれにぶら下がると、何かを生み出す力が培われず公共事業が終わると急激に衰退する。
学ぶこと、アイデアを絞り出すこと、そして持続可能な形で具現化することこそが、地方経済の立て直しに繋がると私は信じています。
その妨げになっているのは、「原型復旧」や「災害復旧」という名目に縛られた公共事業の制度であることを、
明日、自民党本部にて小一時間ほどお話させて頂きます。


そういえば、気仙沼市唐桑支所の職員の方からは「制度が変わると仕事が増えるので、あまり言わないでほしい」と言われました。
未曾有の自然災害で生き残ったとはいえ、所詮その程度なんですな。。
税金払うの嫌になります。。。


畠山信




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Posted by 森は海の恋人事務局ブログ at 00:07│Comments(0)徒然日誌
 
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