ハタボー日記108 巨額増税が来る日も近い

森は海の恋人事務局ブログ

2013年03月29日 01:10

現在、東日本大震災で被災した沿岸部全域に、巨大なコンクリートの防潮堤が計画されている。
今後は日本の沿岸部全域が、コンクリートの壁で覆われるというこの計画。
気仙沼では、行政(特に宮城県)が強硬な手段に出ることが多くなってきた。
行政職員は法律に従って仕事をしているだけなので、違和感を感じていたとしても内部から疑問視するムーブメントには至らない。


さて、宮城県気仙沼市唐桑町鮪立地区では、半解した民家を直して住んでいる方がいらっしゃる。
(もちろん他の地区にもいる)
鮪立地区ではその数2軒。行政は民家は守るべきものとして計画高TP.9,9mの防潮堤をつくるとして譲らない。
(※「TP」とは、東京湾の平均的な海面の高さ)(防潮堤はコンクリート製でなければならない決まりになっている。ついでに言えば、防潮堤は海から内陸部へ向かって50m以内につくる決まりになっている)
防潮堤に関しては、住民みんなが反対している状況だそうな。
そこで、住民側から「その2軒を囲む防潮堤をつくってはどうか?」と逆提案が出された結果、気仙沼市は認めたという。
つまり、 T.P9,9m(電信柱より高い)の壁に、2軒の民家だけが囲まれるそうな。
ウソのような本当の話。ある意味、観光資源になるとは思う。


年度末だけに、行政はかなり強引なやり方で防潮堤計画を進めるようになった。
例えばこれ↓↓

「行政文書作戦」とも言うべきか、住民の十分な合意も無く、決まったものとして配布された行政文書。
しかも、配られたのは限られた地区だけ。
今どき、冗談だろ?と思うようなやり方が流行っているようだ。

2012年11月30日に宮城県知事に対して、防潮堤を勉強する会発起人会として、防潮堤に関する要望書と質問状を提出した。
質問状に対する返答はあったものの、あまりに酷い返答だった。まるで答えになっていない。
と、いうわけで、防潮堤を勉強する会発起人会は、今後新たな展開を迎えることに本日決定した。
詳細はまだ書くことはできないが。。



巨大防潮堤建設問題については、各メディアが取り上げることが多くなった。
・毎日JPの記事
・日経ビジネスオンラインの記事「堤防を撤去するくらいの発想が必要」
こちらも日経ビジネスオンラインの記事「行政任せでは原型に戻すことしかできない」

それと、週刊金曜日という雑誌(特に3月22日発売の)には、防潮堤問題についてかなり詳細に現実が書かれている。
正に、「東北復興の壁」について書かれているので、是非ご覧いただきたい。


宮城県のホームページには、各海岸や河川の堤防の図面が掲載されている。

気仙沼市のホームページには、行政説明会の日程が掲載されている。
国民の税金を使用してつくる防潮堤なので、納税者は参加する権利はあるはずなので、是非とも参加して頂きたい。
最近は強硬な口調で説明されるので、なかなか面白いものを見ることが多い。
頻繁にアクセスして更新されているかどうか確認しないと、突然説明会が開催されることがあるので注意。
宮城県のホームページにも同様のページがあるが、ほとんど更新されない。



本日、気仙沼市の有志で結成された「防潮堤を勉強する会発起人会」が開かれた。
いきなり反対・賛成ではなく、まずは学ぶことから始めようとする会。
学んで得た防潮堤等に関する知識は、行政説明会で話される行政職員の苦し紛れのウソを指摘することができ、
専門用語だったため意味が分からないというこも少なくなった。
次なる震災への備えとしても、得たものを残し伝えることを同時にやらなければならない。





最近気になることは、復興に使われたお金が「増税」という形で返ってくるということだ。
少子高齢化が進行し、誰も住んでいない小漁村には巨大なコンクリートの塊しかなく、何とか暮らしている者に巨額の増税が課せられる。そんな世の中が近いうちに訪れることになる。

畠山信


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