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2012年04月22日

唐桑地区防潮堤勉強会

被災した沿岸部では防潮堤建設の話がかなり出るようになってきた。
そこで、行政(宮城県、気仙沼市)の担当課の方々にお越しいただき、
唐桑地区を対象にした防潮堤の勉強会を開催した。
参加者は唐桑町の住民代表と唐桑の市議会員の方々。

唐桑地区防潮堤勉強会


一言で「防潮堤」といっても、関係する行政の課はいくつもある。
さらに、リンクする担当課を入れると、一度におおよそ30名くらいの行政の方々にお越しいただかなければならない。
「防災集団移転」、「堤防」、「防潮堤」(場所によって担当が変わる。国、県、市)、「浸水した土地利用、買い上げ」、「道路の復旧」(市道、県道、国道でそれぞれ担当課は変わる)、などなど。
所謂、縦割りだけに担当者自身よくわかっていない部分もあるようだ。

状況は各漁村ごとに全くというほど違う。
「巨大防潮堤建設」に対しては不要とする意見がほとんど。
我々は、実際にそれが無意味であることを体験している。
ただ、防潮堤が必要な個所があるとは思う。
故に反対運動にはしたくない。
住民側からの要望で最も多かったのは「計画する段階から住民と対話してほしい」だった。
大概、ある程度の計画が進んでから「住民説明会」をする。
それでは住民を蔑ろにしている。
住民が必要なのは「説明会」の前の「懇談会」だ。
そこに住むのは住民であって、計画図ができてから「こんな計画です」と言われても、住民が納得するはずがない。
今回の勉強会でも、行政(宮城県土木課)からは、防潮堤の高さについての話から始まった。
つまり、「防潮堤をつくらない」という選択肢は無いということ。
さらに、「今後、住民の皆さんに理解を求めていく」とのこと。
住む者に相談もなく、勝手に決められて理解できるわけがない。

一方で、岩手県ではそこに住む住民の意向を最大限に採用する、ということだそうな。
頼むぜ宮城県。。。
沿岸部全域を一律で考えるのはナンセンス極まりない。。。。。


今後は、各集落ごとに行政の担当者にお集まりいただき、各集落ごとに住民とのコンセンサスを図りながら計画作成を求めることになる。
そうなると、ほぼ毎日、行政担当者の方が地域を回らなければいけなくなる。
負担が大きすぎるので、コンサル屋さんや市民団体の方々に仕事として委託してはどうか、と提案したのだが、反応は薄かった。
住民の意向がどれほど汲み上げられるか、今後の宮城県の対応に期待したい。

気仙沼市はというと、住民側が各集落ごとにコンセンサスをとって、地域の未来予想図のようなものを作成することは歓迎だそうだ。
これは好ましいと思う。
住民の意向を吸い上げる姿勢が嬉しい。






最近は震災直後を思い出すことが多くなった。
拾ったフルーツ缶詰をありがたく頂戴していた。
私が拾った泥だらけの缶詰を、冷たい沢の水で綺麗に洗う母の姿が痛々しかった。
缶詰のラベルが剥がれてしまうため何の缶詰かわからず、
開けたらホワイトアスパラだったりして、
それでも笑いながら食っていた。


畠山信






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Posted by 森は海の恋人事務局ブログ at 23:51│Comments(0)防潮堤建設について
 
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